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カナリアが鳴いた日



ハンペン。

このはんぱさ。練り物のずっしり感はないし、なんだお前は、という存在である。ふわふわと水に浮かび、軽薄そうでけしからん。

お前なんていなくていい。そんな冷たいことを、面とむかって言っても、まったくこたえないで、へらへらと笑っていそうである。

オウム真理教に新美という信者がいた。覚えているだろうか。この字であっているかな。新美はなにを言われても、にやにや笑っていて、まったくこたえなかったそうである。麻原が「新美はいくらおこられても、笑ってるからな」とあきれたほどだったとか。

他人とのコミュニケーションの障害なのだと思うが、私はなにを言われても、すぐ傷ついてしまう、超貧弱な精神力の持ち主なので、新美のようななにがあってもこたえない無神経な人間になりたかった。

芸術家はカナリアだなどと言うが、それがただの概念としてあるうちは、ああ、なるほど、と思っていた。

ところが、震災後の原発騒ぎで、実際にカナリアたちが、いっせいに鳴き出したら、それは、繊細な神経で社会に警告をならすなどという良いものではなくて、単に非科学的に、感情や感覚だけで発言しているように感じた。

著名人もただのひとりのよくわかっていない人間だということか。万能ではなく。当たり前といえば当たり前か。

自分の得意なジャンルの話をしている時は明晰なのだが、原発などの話になると、とたんに、あれあれ?となってしまうような人をよく見かけた。まあ、自分の立ち位置と反対だから、そう感じるのだろうと言われれば、そうなのだろうけど。

「芸術家はカナリア」などという言葉は、概念だけのうちはよかったが、実際に体験してみたら、いやな感じがしたな、という話である。

あまり今日の話は、共感されなさそうだが、まあ、そう考えているんだから書いてみた。
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[ 2012/01/15 07:09 ] 練り物 | TB(-) | CM(-)
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